樽丸 樽丸の起源と製造法 樽丸は吉野材とともに当時本市にも大量に移入、神戸、灘方面に販売され当和歌山市の特産的な存在であった。参考のため樽丸の製造法及び其の発端を左に略記す。

樽丸は今を距る事凡そ250年即ち享保年間和泉国堺港(現在の堺市)の商人某たる者、職人をつれ吉野郡黒滝郷鳥住村に赴き初めて樽丸を製造、ここに於て同村の人樽丸製造法を習いこれを行ったのが其の初まりである。其後、川上郷、高原村に鳥住村の人行きて樽丸の製造を初め(240年前)爾来吉野全郡の人樽丸を製造するも其の産出量の最も多きは川上郷にして次ぎは黒滝、西奥、小川郷、中庄、池田、